健康診断の待ち時間で読みきったほどテンポ良く読めました。著者は頭が良いから文章を読みやすくしてくれています。
「拝金」は小説でありフィクションですが、オン・ザ・エイジ、ネクサスドア、横浜ベイブス、ヤマトテレビに始まり、売天の三木山社長、ハイパーエージェントの藤井社長、山村ファンドの山村代表が出てきます。
あとがきにある「フィクションだからできるノンフィクション」の通り、事実を小説に隠して、「楽」として伝える感じです。私は堀江貴文氏を竹中平蔵氏と同じくらい尊敬している部分がありますが、それを抜かしても、単純にこの本は高評価でした。
先日の三連休に早稲田大で開かれた池田信夫氏のセミナーに参加しました。主催はライブドアです。その池田信夫blogでの「拝金」の書評では下記で締めくくられています。
「民主党政権が行き過ぎた市場原理主義を嫌悪して、株主を重視しすぎた風潮に喝を入れたいなどという愚劣な話をしているかぎり、どんな成長戦略を作文しても成長率は上がらない。ライブドア事件で日本が失ったものは大きく、もしかすると日本経済は永遠に立ち直れないかもしれない」
私が新卒入社した2004年と比べて、日本人が死に物狂いで金を稼ぐ姿勢が消えていったことは何となく実感しています。一時期はまるでお金が存在悪のようになりました。それを国民が支持をして、政府が法案を作ることを危惧しています。
あと、「拝金」の終盤では既存のマスメディアとの戦いの裏側が見られます。事実、民放では表立っていませんが、ニコ動などではライブドア事件の真相が裁判で証明されたことを放送しています。株主と代表取締役としての責任はあるものの、堀江氏は実行犯ではないわけです。
テレビ局は怖いです。私も小さな話ですが、3回ほどテレビの取材を受けたことがあります。その中の1つは苦い経験となりました。
「隠れた魅力を伝えたいんです!」との話から始まり、「当日はこれを用意してください、あれを用意してください」と言われ、前半に撮影した仕事のシーンは放送されず、全く違う趣旨で使われたことがあります。
放送前日に雇われディレクターから電話があり、「今回の件は本当にすみませんでした」と謝罪してきました。何のことやらサッパリわかりませんでしたが、放送を見たら「なんだこれは・・・」と事実無根の内容です。
つまり、テレビ局は「数字が取れれば、事実を捻じ曲げるのは当然」というスタンスだと気付かされました。私はそれ以降、テレビや雑誌は50%の真実を伝える媒体として捉えています。
堀江氏はターゲットにされたスケールが民意を動かし、国政に参加できるほどの大規模になってしまったわけです。この「拝金」からもマスメディアの強さとしたたかさが伝わってきます。そして、堀江氏が「この物語の主人公はアバターとして設定した」ということもあり、コンテンツが事実だから疑似体験がしやすくなっています。
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